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【つれづれ】前橋に行ってきました。
前橋の中心商店街には、かつての「麻屋デパート」が残っています。
その建物は、昭和前半生まれの方々であれば誰の記憶にも残っているモダンですてきなビルです。
かつては、キレイな服を来てお買い物にいくのは「麻屋さん」とさん付けで呼ばれるほど親しまれ、市内はもちろん県内全域からお客さんが訪れていたといいます。
前橋フォーラムでは、その開かずの麻屋さんをフォーラム会場にしたことが大きな話題をよびました。
フォーラム開催中、ご近所のおばあさんが受付にきて「麻屋さんにお返しにきました」といって、ふろしきを拡げてくれました。そのふろしきには、麻屋さんの屋号とマークが入っていました。そのおばあさんはふろしきを置いて足早にさっていきました。
あとから麻屋さんに伺ったところ、ふろしきのマークは先代が自らデザインしたといい、おそらく引き出物かなにかに使ったのだろうとのこと。その極めてモダンなマークは、センスの高さを感じさせてくれました。
このエピソードは、スタッフを感動させ、場所を開くということの意味を改めて問いかけることになりました。
人の忘れかけた記憶を呼び起こすこと、新しい世代が歴史を受入れること、地域が価値を再確認すること。その危うさと繊細さと、でもやる意味の大きさに、身が引き締まりました。
そうそう、この麻屋さんでのフォーラムでは、会場設営するにあたって、椅子を商店街の方々にお願いして提供してもらい、50脚ほど集めました。商店街の方々の記憶が詰まった椅子と思い出の詰まったビルで極めて前衛的な(?)フォーラムをやる。この出来事はさまざまなレベルで「ひとの記憶」「まちの記憶」について考える機会になりました。
そして、この麻屋さんはいろいろな歴史のいたずらに翻弄されながらも、解体を免れ、とうとう今年、登録文化財として指定されることになりました。
もちろん、文化財になったことで活用を続ける場合には新たなデメリットも出てはくるでしょうが、この麻屋さんは、建築的価値というよりも、忘れられた建物に人々の記憶が甦り、まちの記憶をつなぎ、風景をつくるという建物の意味について考える場を提供するという新たな使命が生まれたと思います。
 
今回、前橋フォーラムからちょうど1年を経て、再度前橋を訪問したのには、わけがあります。それは、フォーラムの結果前橋に何が生まれたか、もしくは何が変らなかったかということを知る必要があるということ、それと、アートNPOの活動概況調査をすることが理由です。

前橋フォーラムでは、地域のさまざまな中小企業とタッグを組み、さまざまなメセナ・支援をしてもらいました。
例えば、いくつかの廃墟を会場にしたために、建物を清掃する必要があったのですが、地元の清掃業者に掃除機具を現物支給してもらい、かつ30人ぐらいいた学生ボランティアに掃除の仕方をワークショップ形式で教えてもらうということをやりました。
看板デザイン会社には、看板を提供してもらい、カッティングシートの張り方講座ワークショップもやりました。
お花屋さんには、お花の提供と飾り付けを。
また、レストラン経営の会社には、フォーラム用にひらいたカフェの運営を協力してもらい、エスプレッソマシーンや食器類をおかりするとともに、学生さんたちにカフェでの接客応対の仕方やコーヒーやカプチーノ、ラテなどの作り方講座も開いてくれるなど、企業のもっている物的リソースのみならず、マンパワーやスキルをワークショップという形で提供してもらい、学生ボランティアのモチベーションと意識を高めるとともに、スキルも獲得できちゃう!ということをやりました。
ボランティアの女子学生はみんなやっぱりカフェが大好きなので、エプロンや衣装をつくるなど大きな盛り上がりをみせることになりました。

そして、1年たったいま、リサーチをしていく中で、その成果が目に見える形で生まれていることを目の当たりにしました。

商店街はあいかわらず寂しい状況でしたが、商店の機能は廃れていても、若い人たちに格安で居住を提供するようになりはじめています。
フォーラムの事務局として商店街にオープンしたヤーマンズ(カフェギャラリー)も1年を無事のりきり、ヤーマンズを中心に若者がコミュニティを形成していました。
ヤーマンズたちは、商店街の協力を得て、なんと商店街に住み始めた若者で青年会(10人くらいいる)を発足させ、商店街のフリーペーパーなどを出版しているという成長ぶり。
もちろん、フォーラムのみならずこれまでこの地で活動し続けてきた前橋実行委員のひとたちの長い関係があってこういうこともできてきているとは思いますが、フォーラムを期にできたスペースがいろいろな展開を始めているということは素直に嬉しいですね。

さらに、デパート跡地にコミュニティシネマを作る動きが展開していたり、先に紹介したレストラン企業と、フォーラムにボランティア参加した方との交流が継続し、映画イベントを一緒に開催するなど、さまざまな関係性がはじまっています。

もちろん良い話ばかりではないけれど、良い事も悪い事も含めてフォーラムが地域に与えるインパクトは、かなり大きいということを改めて感じました。
今後、地元の方々の絶えざる努力が必要になってくるでしょうが、なにごともやってみないと分かりませんし、なにも起こりません。
その「お節介なきっかけ」にフォーラムがなれたとしたら、やりつづける意義はあるかもしれないな、そう思った一日でした。
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by artsnpolink | 2006-11-30 01:47 | ●事務局つれづれニッキ
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